カテゴリ/高槻Life 投稿日/2017-09-26
高槻・富田にある普門寺。
現在はそれほど大きくないお寺ですが、その方丈は、なんと国の重要文化財、庭園は国の名勝に指定されています!
今回は、静謐な高槻の名刹で、歴史の重みを感じてみましょう。
390年、南北朝時代末期に開山された普門寺が、歴史の表舞台に現れるのは、1561年のこと。
「普門城」とも呼ばれたこのお寺は、見事な伽藍に堀も巡らせ、当時の広さは、6000坪とも9000坪とも推測されています。
室町幕府の要職である摂津管領・細川晴元、さらには、14代将軍・足利義栄の居城となりました。
この寺で生涯を終えた細川晴元は、今もこの地に眠っています。
室町時代に創建された方丈は、国の重要文化財に指定されています。
室町幕府が滅びた後も、普門寺は重要な軍事拠点として活用され続けました。
一説によると、あの有名な秀吉の「中国大返し」の際は、この地で全軍が落ち合い、山崎の合戦で明智光秀を打ち破ったと伝えられています。
その後、江戸初期に入ると、「インゲン豆」という名称のルーツともいわれる、中国からの渡来僧・隠元が招かれます。
普門寺仏殿に置かれていたという隠元の額や・・・
隠元が作ったといわれる石畳もありました。
さらに、後水尾天皇も滞在したという普門寺には、狩野永徳の孫・狩野安信による襖絵も!
重要文化財の方丈で、出していただいたお茶を一服・・・。
高槻の歴史の深さを否応にも感じる瞬間です。
そして、何といっても普門寺の見どころは、大阪府でたった5ヵ所しかない国の指定名勝とされている「観音補陀落山の庭」です!
自然に置かれているようでいて、計算され尽くした枯山水の美しさ。
しばし時間の感覚さえ失ってしまいそうです。
そして、これが名勝といわれる所以でしょうか!?
先ほどの写真と同じ庭なのに、方丈に上がり、廊下から見下ろしてみると・・・!
まったく違う庭のように見えるのです!
底知れぬ奥行きに吸い込まれてしまうような錯覚。
これこそが、普門寺の歴史と枯山水の美が創り出す「幽玄の境地」なのでしょうね。
これから秋が深まると、美しい紅葉も楽しめる普門寺。
皆さんも、ぜひとも富田・普門寺に足を運び、高槻の街中にいるとは思えない、異次元の空気をご堪能ください☆
◆ 慈雲山 普門寺 ◆
場所 高槻市富田町4丁目10-10
電話 0726-94-2093
拝観時間 13時半~16時半
(拝観には事前予約が必要)
拝観料 1名 400円
アクセス JR摂津富田駅・阪急富田駅から南へ徒歩15分
カテゴリ/高槻Life 投稿日/2017-09-26
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