屋根のメンテナンスについて

 カテゴリ/暮らしのヒント 投稿日/2018-12-01

2018年は、私達のふるさと高槻では6月に直下型の地震に見舞われ、9月に台風21号が多くの爪痕を残し、甚大な被害を及ぼしました。被災された皆様、今日もなおご苦労されているすべての皆様に、心からお見舞い申し上げます。
 
二つの災害で、特に屋根にダメージを受けた方々も多いのではないかと思います。
 
今回は、「屋根のメンテナンス」についてまとめてみたいと思います。

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■「屋根のメンテナンス」を考えるべきタイミングについて
まずは、ざっくりとですが、以下をご参考下さいませ。

・築15年以上ノーメンテナンス
・天井に雨漏れあり
・天井がカビっぽい、カビが広がってきた
・風の強い日に屋根から変な音がする
・雨の降った翌日も湿気が残る

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■次に、屋根の材質(種類別)でのメンテナンスのタイミング
【瓦】
・瓦がずれたり、割れている
・漆喰が剥がれている
・瓦の色が変わっている
・苔が生えてきた

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【スレート】
・釘が落ちている
・ペンキが剥がれている
・カビやコケが生えている
・ひび割れ
・色が変わっている
 
【金属屋根】
・錆びている
・釘が抜けている
・屋根材が浮いたり、剥がれている
・風雨を受けると、金属が当たる様な音がする
・(銅以外で)新しくした時より、色が変わっている
 
■メンテナンスを怠ってしまうと
屋根だけでなく、屋根の下にある防水シート(ルーフィング)や、野地板(屋根の下に貼られている板)の腐食も進行している可能性もあります。屋根が一次防水、防水シートが二次防水となり、そこを抜けて野地板まで雨水が来てしまった場合、野地板が腐食し、家を劣化させてしまい、長く暮らせる家ではなくなってしまう。そこまで行くと一大事です。
 
*塗装ではなく、屋根全体のリフォームになると、例えば40~80万で済むところが、60~200万かかってしまうことも。
 
■では、どんなメンテナンスが効果的なのか
<メンテナンス理由と方法>
【瓦】
時期 25-40年
症状 瓦の滑落、瓦を固定している漆喰の劣化、剥がれ
理由 漆喰が瓦を固定しており、その力が弱くなっており、ちょっとした風や、地震でずれたり落ちてしまう
方法 漆喰補修、締め直し、葺き替え
 
【スレート】
時期 5~10年毎(・葺き替えは、20~30年)
症状 ひび割れ、白っぽくなっている、棟板金の浮き、釘が抜けている
理由 雨漏れ、塗装面劣化のサインが出ている、釘が抜け落ちて、下地から雨水が侵入してしまう
方法 塗装、葺き替え、カバー工法
 
【金属屋根】
時期 10~15年(・葺き替えは、20~30年)
症状 錆びている、釘が抜けている、屋根材が浮いたり、剥がれている
理由 錆は広がりやすく穴が開いてしまうから、釘が抜けると下地から雨水が侵入してしまうから、風の抵抗と抵抗が増え、めくれ上がりやすい状態になっているから
方法 塗装、葺き替え、カバー工法

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★★新築、屋根の葺き替えをしたい時に屋根材を選ぶときのポイント★★

耐久性(雨漏れがしないかどうか)
コスト
メンテナンス性(どれ位の頻度で塗装する?補修?いつ頃葺き替える?)
耐震性(地震の多い日本だからこそ備えておきたい)
デザイン
防火性(もしもの時の備えも大切)
 
一般的によく使われているのが、瓦・ガルバニウム鋼板・スレートとなります。

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小阪工務店で行った、屋根(ガルバニウム鋼材)の張り替え
https://www.kosakaweb.jp/columns/detail.php?id=325&cid=42
 

耐用年数(見た目と雨風から家を守れる期間)は
瓦 45~75年、洋瓦25~40年、セメント瓦20年
ガルバニウム鋼板25~35年
スレート20~25年
 
他にも、石粒付き鋼板50年以上、アスファルトシングル30年位
耐用年数の長い屋根材を選んだら、耐用年数の長いルーフィング(一般的には、20年位)を選ぶこと
 
 
■以下、それぞれの屋根材の特徴とメリット・デメリットをまとめたいと思います。
【瓦】
お勧めする方
・今の家に30年以上住む方
・純和風の家にさせたい方
 
<メリット>
粘土系は、断熱性が高い→施工法や自然素材だから夏は涼しく、冬は暖かい
粘土系は、持ちが良く、色褪せし難く、吸音し、不燃材料である→粘土系の材料の焼き物だから
メンテナンスが少なくて済む→メンテナンスが部分的に出来、瓦自体はほぼ劣化しないから
デザイン性に優れている→カラーバリエーション、形も豊富にあるので和風、洋風どちらにでも合う
 
<デメリット>
重い→他の屋根材よりも耐震性が劣る
初期費用が高い→高い技術力、専門業者が減ってきているから
自然災害などによる被害の危険性有り→瓦がずれたり、破損したりする
漆喰や板金は、メンテナンスが必要→つなぎ目などに使われて
 
【ガルバニウム鋼板】
ガルバニウム鋼板とは商品名で、アルミ亜鉛合金メッキ鋼板のこと。
鉄材を基材として、アルミニウム、亜鉛、シリコンからなる金属メッキ加工をしたもの。
アルミニウムが55%、亜鉛が43.4%、ケイ素が1.6%の比率。
ちなみに、亜鉛のみでメッキ加工したものがトタン。もし、傷付けると錆びてくるので、潮風の届く海の近くの屋根材としては、良くない。
 
お勧めする方
・見た目をオシャレにしたい
・30年は家を長持ちさせたい
・部屋の屋根を高くとりたい
・現在は、瓦の屋根で耐震性や防災性が気になっている
・アスベストが不安などの理由で、屋根の葺き替えを考えていらっしゃる方
 
<メリット>
屋根材の中で、薄く、最も軽い→天井を高く出来、地震の時など、家の基礎の部分に負担が少なく済む
耐熱性が高い→アルミニウム含有率が高い為、アルミメッキ鋼板に近い耐熱性
耐食性が高い→→特に酸性雨に強く、トタンと比較すると3~6倍寿命が長い
施工性、デザイン性が高い→薄くて、着色性が良いのでオシャレ
 
<デメリット>
初期費用が高め→デリケートな材質の為、他の金属に触れるだけでも錆び、施工に時間がかかる
メンテナンスにお金がかかる→汚れが付着しにくいので、メンテナンスの塗装のノリが悪くなるので数年で、はがれてしまう
断熱性が無い→熱伝導率が高いので、断熱材が必要
施工業者の腕に左右される→経験と雨仕舞、通気性などに関する知識など、高い技術が必要

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【スレート】
スレートとは、商品名でよく言われるカラーベスト、コロニアルのこと。
波型のスレート=アスベストと思われる方もいるかと思いますが、最近の物は使用されていません。天然、化粧に分けられ、天然スレートは、粘板岩を薄く板状に加工した屋根材。
化粧スレートは、セメントと繊維を混ぜて、厚さ5mmに成形したもので、平形と工場や倉庫などによく使われている波形があります。
 
天然のスレートは、天然の岩を使用するので、非常に高価で国内では宮城県の石巻市でしか生産されておらず、ほとんど輸入に頼っているので、あまり普及していない。また、運搬にも細心の注意が必要で、意外と割れやすく重量もあり、加工にも技術が必須になるので施工費用も高くなる。
 
お勧めする方
・初期費用を抑えたい方
・シンプルな屋根にしたい方
・カラーバリエーションが豊富で、デザイン性も重視したい方
 
<メリット>
工事費用が安い→施工方法がシンプルで、施工業者が多いから
すっきりとシンプルな見た目→薄い屋根材だから
耐食性が高い→→特に酸性雨に強く、トタンと比較すると3~6倍寿命が長い
カラーバリエーション、デザインが豊富→どんな家にもマッチする
 
<デメリット>
定期的に塗り替えなどのメンテナンスが必要→表面は、塗装されており劣化するから
酸性に弱い→セメントが使われているので劣化しやすい
風や地震の影響で割れやすい→→薄い板だから
 
 
個人宅様、企業様 施設建物では、特に長持ちされる為にも、是非屋根メンテナンスについて、考えてみるのも良いではないでしょうか。

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