カテゴリ/高槻Life 投稿日/2021-12-08
昨年に引き続き、おうち時間が増えた令和3年。
外食ができないかわりに、「自宅で楽しむ食」に一層目が向いた年でもありました。
お取り寄せの高級食材や噂の名店のテイクアウト。
でも、盛り付ける器が紙やプラスチックでは、いまいち気分が盛り上がりませんよね。
そこで、おうち時間をより色鮮やかにする、素敵な食器を買い求めたという人も案外多いのではないかと思います。
日々の食卓を彩る食器。
器を愛でながら食べ物を口に運ぶ喜びこそ、「ただ命を繋ぐために餌を食べる動物」と「文明を手に入れた私たち人間」の大きな違いなのかもしれません。
実は、ここ高槻も、かつては文化人から愛された陶器の名産地だったことをご存じでしょうか!?
高槻市・古曽部地域で作られた古曽部焼。
確かな発祥の記録は残っていませんが、江戸時代後期から明治時代にかけて、古曽部村の五十嵐家4代の名工たちが、次々に味わい深い焼物を作り上げていきました。
古曽部焼の多くは、お茶碗や小皿など庶民の生活で日常的に使われる食器です。
けれども、その素朴な中にある力強さや個性に魅せられる文化人は多く、茶器や花瓶は目の肥えた京・大坂の茶人も愛用するほどだったといいます。
幕府や藩からの援助を受けていないにも関わらず、高槻の地方窯(じかたよう)として、高い評価を獲得した古曽部焼は、やがて料亭などからも大量発注されるようになります。
もしかしたら、当時の高槻の人々は、古曽部焼を通じて、外食でしか味わえない「贅沢な食」を「自宅の食」に取り入れていたのかもしれませんね。
4代続いた古曽部焼でしたが、その後、五十嵐家による古曽部窯はいったん終焉を迎えます。
そして、現在、新たに和歌山県出身の寒川義崇さんが再興。
もともと窯元の末子として生まれた寒川さんでしたが、昭和54年に高槻市・川久保に古曽部焼窯元(義崇窯)を開窯しました。
今年11月19日には、「OPENたかつき」の観光プログラムの一つとして、古曽部焼の陶芸体験も実施されています。
https://open-takatsuki.jp/program/5162/
自分で作った焼物で美味しい料理をいただくなんて…!
想像しただけでワクワクしてしまいますね^^
(イメージ画像)
かつて埴輪の一大生産地だったことからもわかるように、高槻は焼物に欠かせない土と水、薪の原料となる木が豊富にとれる絶好の場所。
さらに、淀川の水運を使えば、京・大坂にもアクセス抜群です。
貴重な自然と便利なロケーション。
こう考えてみると、古曽部焼はまさに、高槻だからこそ生み出せた文化だったのですね。
安満の土器、今城塚の埴輪、古曽部の焼物…。
これから時代がどんどん移り変わっても、「高槻ならではの文化」は、きっとこの街で大切に引き継がれていくことでしょう!
カテゴリ/高槻Life 投稿日/2021-12-08
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