カテゴリ/高槻Life 投稿日/2019-08-24
皆さんは、狂言を見たことがありますか?
狂言は、能とともに「能楽」と呼ばれ、ユネスコの世界無形遺産にも登録されている日本を代表する伝統芸能の一つです。
そう聞くと、何だかとても敷居が高そうな気がしますが・・・。
先日、高槻市では、小学生とその家族を対象に、狂言に触れる楽しいイベントが実施されました☆
テレビや動画で見たことはあるものの、実は、生の狂言を見るのは、私も子どもも初めて!
昔から続く伝統芸能ということで、作法やしきたりが難しいのかな・・・と少しドキドキしながら、高槻現代劇場にやってきました。
さあ、いよいよ始まりの時間です。
子どもたちの拍手に迎えられて、着物姿のお兄さん、鈴木実さんが登場しました。
とても優しそうですが、声には、さすがにハリと力がみなぎっています。
まずは、子どもにもわかりやすくかみ砕きながら、狂言の歴史と特徴を説明してくださいました。
中世、室町時代にはすでに存在していたといわれる狂言は、日本で最も古い喜劇です。
笑い方や歩き方など、すべてに決められた型がある「様式的演技」が特徴。
そんな説明を聞くと、何だかとても難しいように感じますが・・・。
いざ「柿山伏」の実演が始まると、山伏に扮する茂山千三郎さんと柿畑の主を演じる鈴木実さんの掛け合いに子どもも大人も大笑い!
最後まで大盛り上がりで鑑賞会は幕を閉じました。
そして、お待ちかね、狂言を実際に体験する時間です。
一人一人に狂言の型をとても丁寧に教えてくださいます。
子どもたちは、今見たばかりの楽しく面白い伝統芸能を自分自身で実演できるとあって、大はりきり!
一生懸命、でも笑顔いっぱいで様々な動きを覚えようとしていました♪
そろり、そろり・・・。
はー、ははは・・・。
どうでしょう!?
少しは様になってきましたか(^_-)?
このように、狂言の世界で、歩き方や笑い方に独特の型が決まっているのには、理由があります。
例えば、「しおり」と呼ばれる泣く姿。
こぼれ落ちる涙を手で押さえるように眉間のあたりに手をやります。
でも、実際に泣くときは、眉間ではなく目を押さえるものですよね。
どうして、眉間なのでしょうか?
その答えは、実際に目を押さえてみるとわかります。
もし仮に演者が目を押さえると、客席で見ている人からは鼻を押さえているように見えてしまうのです。
「見ている人に一番それらしく見えるように」。
そう、狂言の型は、相手を思いやる日本人の心そのもの。
私たち日本人が世界に誇る「おもてなし」の集大成が、狂言の型に表れているのです。
また、セリフ劇である狂言には、基本的に背景や大道具といったセットはありません。
使われるのは、桶や扇といった小道具のみ。
これらをあらゆるものに見立て、話を進めていきます。
たとえば桶は、酒樽や床几(椅子)などの代わりとなりますが、今回の「柿山伏」では、なんと「柿の木」に見立てます。
演者の表現力と見るものの想像力が合わさって、滑稽だけれど品のある素晴らしい喜劇が生み出されるのですね。
さすがユネスコの世界無形遺産に登録される能楽、狂言。
わずか1時間でしたが、伝統文化の中に日本の美が凝縮されているのが実感できました。
子どもたちが伝統芸能に触れられる、この「こども広場」の催しは、毎年夏休みに高槻現代劇場で行なわれているそうです。
ぜひとも皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。
素敵な夏の思い出になりますよ^^
カテゴリ/高槻Life 投稿日/2019-08-24
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