カテゴリ/高槻Life 投稿日/2019-07-04
数々の歴史的寺院が遺る高槻市。
その中でも「修行の場」として、1300年もの間、人々の信仰の対象となり続けているのが、天台宗根本山・神峯山寺です。
龍神が護るというこの場所。
入り口には、俗世との境目を示す「勧請掛(かんじょうがけ)」が吊されています。
さあ、歴代の皇族や権力者も畏れ敬った高槻の聖域へと足を踏み入れましょう!
すぐそばを新名神が走る駐車場から、神峯山寺の境内へと向かう道中には、奈良・葛城山を遙拝できるポイントが設けられています。
もともと神峯山寺は、役小角が葛城山から遠く高槻の山々を見はるかし、九頭龍滝の水しぶきのきらめきを見つけたのが始まり。
この地に神峯山寺を開き、修験道の修行と信仰の場所としたのです。
今にも谷底に吸い込まれそうな山道が続きます。
舗装されている現代でさえ、恐ろしさを感じるこの山。
「頭上注意」「落石危険」という貼り紙を見ても、「今、地震が起こったら、どこへ逃げれば良いのだろう…。」と背筋が凍ります。
科学が発達したとはいえ、台風や地震の脅威に対して、人間はあまりにも無力。
ましてや古の人々にとって、自然はどれほど恐ろしい存在だったことでしょうか。
時に恵みを時に苦しみを与える自然。
人々は自然と共存するため、山や川を尊び、何とか怒りを静めようとあらゆる手段を試みました。
それこそが、修験道。
滝行、火渡り、断食…行者の行なう修行にほかなりません。
神峯山寺では、平成23年2月27日から1日も絶やすことなく、毎日護摩修行を行なっています。
そして、令和元年5月15日には…。
3000日連続修行を成し遂げました。
今も、連日その記録を更新し続けています。
この護摩行には、私たち一般の人々も参加することが可能です。
静かな境内に響く太鼓の音。
少しずつ激しさを増す経を読む声。
護摩を焚く化城院の中は撮影できませんでしたので、ぜひとも皆さん、自分の目で、心で、その神聖な修行を体感してみてください!
◆ 神峯山寺
【所在地】高槻市原3301-1
【拝観時間】9時から17時(冬季は16時)
【電話番号】072-688-0788
【アクセス】
公共交通機関:JR高槻駅北口より、市バス「53原大橋」行き乗車、「神峯山口」で下車、山道を徒歩約20分。
車:新名神高速道路、高槻ICより約5km。無料駐車場有り。
※ 護摩祈願の時間は毎日変わります。
詳しい開始時刻や祈願料はHPでご確認ください。
http://kabusan.or.jp/
この日、高槻市内は30度を超える夏日でしたが、ここ神峯山寺の境内は、吹き抜ける風と水の流れる涼やかな音で、とても爽やかに感じられました。
以前は、紅葉の季節に訪れましたが、太陽の光を受け、金色に輝く緑のもみじも最高!
足下には葉っぱが映し出す影絵が見事です。
赤ではなく、黒と白のもみじも、また幽玄の趣がありますね。
神峯山寺は、日本で初めて毘沙門天が安置された場所です。
毘沙門天の別名は「多聞天」、四天王の一尊でもあります。
戦いの神、国家安泰の神として足利、豊臣、徳川家などの信仰を集めた神峯山寺の毘沙門天は、また、家庭円満、子宝子授の神様として、民衆からも尊ばれてきました。
神峯山寺にある3体の毘沙門天の1つは、その妻・吉祥天女、子・善膩師童子と仲良く揃って同じ厨子の中にいらっしゃるとか。
国家安泰の根本は、家庭円満にあるということ。
そして、家族の話を「多聞=よく聞く」ことは、家庭円満の秘訣であるということ。
「戦い=仕事」もデキる毘沙門天さまは、まさに元祖イクメン!?
「令和男子」のあるべき姿を静かに教え示してくださっているようです。
子育て世代は、ちょうど厄年が重なる世代でもあります。
この夏、厳かな神峯山寺で厄除けの護摩行に参加し、自然の脅威や自分自身の生き方について再考することで、自らを律する機会としてみてはいかがでしょうか。
カテゴリ/高槻Life 投稿日/2019-07-04
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